寒くなると、散歩の前に冬服を着せる日が増えてきます。
着せ終わってから、その上にハーネスをつける。
おそらく多くの家庭がこの順番だと思います。
ただ、犬の服の上からつけたハーネスは抜けやすくなります。
先に答えをまとめます。
- 冬服の生地はすべるので、犬の服の上からハーネスをつけると後ずさりで抜けます
- きつく締めても変わりません。生地がすべること自体が原因だからです
- 理想の順番は「ワンちゃん → ハーネス → 冬服」です
- 背中にリード穴のあいた冬服なら、この順番のまま着せられます
- 服とハーネスが1枚になった一体型を選ぶ方法もあります
うちのワンコは、散歩に行けると分かると興奮します。
他のワンちゃんを見つけたときに抜けないか、ずっと気がかりでした。
小型犬は体が小さいぶん、少しのゆるみが大きく効いてきます。
それぞれの理由と、実際の付け方を下で見ていきます。
犬の服の上からハーネスをつけると、小型犬は抜けやすくなる
まず結論から書きます。
冬服の上からハーネスをつける方法は、後ずさりする子には向いていません。
びっくりして下がったときに、そのまま抜けてしまうことがあります。
北海道で保護犬の活動をしている「しっぽの会」も、この点に注意をうながしています。
ツルツル・モコモコした防寒着の上から装着したハーネスは犬の身体にフィットしづらく、犬がパニックや後ずさりをすれば 簡単にハーネスが身体から抜けてしまうからです
引用元:[犬の防寒着とハーネスの安全な使用方法|しっぽレポート](http://shippo-days.seesaa.net/article/505990000.html)(2024年12月9日)
同じ記事では、理想の順番も示されています。
「犬 → ハーネス → 服」の順です。
つまりハーネスを先に、服をあとにということになります。
小型犬は、ゆるみが体に対して大きい
小型犬の胴回りは、中型犬や大型犬にくらべて短いです。
そのため同じ1センチのゆるみでも、体に対する割合は大きくなります。
そして冬服の生地の厚みが、そのままゆるみに変わっていきます。
わが家はマルプーとチワプーの2頭です。
どちらも服を着ると、見た目がひとまわり大きくなります。
その状態でハーネスを合わせると、服を脱いだ日には合わなくなります。
しかも小型犬は体重が軽いです。
なので後ろに下がる力が小さくても、体はするりと動きます。
一方、大型犬なら同じゆるみでも体の厚みが受け止めてくれます。
体が小さいほど、ゆるみの余裕は残らないと考えたほうが安全です。
きつく締めても、解決にはならない
「ゆるいなら締めればいい」と考えたくなります。
ところが、しっぽの会の記事にはこう書かれています。
きつく締めても抜けやすいため危険、という内容です。
理由は、生地がすべるからです。
締める強さの問題ではありません。
生地と生地が触れている状態そのものが原因になります。
しかも締めすぎると、その子の体に負担がかかります。
たとえば呼吸が苦しくなったり、脇がすれたりすることもあります。
冬服はやわらかいので、締めた力が生地に吸収されます。
そのため数字の上では締まっていても、体には届いていません。
だからこそ、締め方ではなく順番を変えるほうが確実です。
抜けやすくなる理由は、生地のすべりとすきまにある
もう少しだけ、仕組みを見ていきます。
ハーネスは体に沿って止まることで、力を受け止めます。
ところが、その「沿う」部分が冬服では成立しにくくなります。
モコモコ・ツルツルの生地はとくにすべる
冬服によく使われる生地を並べてみます。
| 生地 | 冬服での使われ方 | ハーネスとの相性 |
|---|---|---|
| ボア・フリース | 裏起毛の上着 | 毛足が長く、ハーネスが沈んでずれる |
| ナイロン・撥水生地 | ダウン風の上着 | 表面がすべって、ハーネスが動く |
| ニット | 室内兼用のセーター | 伸びるので、引かれると形が変わる |
どれも冬に選ばれやすいものです。
つまり暖かさを取ると、すべりやすさもついてくる形になります。
なかでも毛足の長いボアは、ハーネスが沈み込みます。
そして沈んだぶんだけ、見た目より内側に余裕ができています。
撥水加工の生地は、水だけでなく摩擦も逃がします。
そのため引かれた瞬間に、ハーネスだけが前へ動きます。
服を脱いだ日に、ベルトがゆるくなる
見落としやすいのが、服を着ていない日です。
服を着せた状態で合わせたハーネスは、その厚みのぶんだけ広がっています。
なので、そのまま素の状態で使うと大きくゆるみます。
この点も、しっぽの会が原因のひとつとして挙げています。
暖かい日や、室内から出てすぐの短い散歩。
そして、こういう日ほど確認が抜けやすくなります。
さらに厄介なのは、見た目では分からないところです。
ベルトの穴は同じ位置のままなので、緩んだことに気づけません。
服を脱がせた日は、必ず一段締め直してみてくださいね。
理想の順番は「ワンちゃん → ハーネス → 冬服」
ここからは、実際の付け方です。
順番を入れ替えるだけで、ハーネスは体に直接あたります。
そのため生地がすべる問題そのものが起きなくなります。
手順は3つだけ
1. ハーネスを体に直接つける
2. アジャスターで合わせる
3. その上から冬服を着せる
合わせ方の目安は、ハーネスの形で変わります。
「いぬのきもちWEB MAGAZINE」の獣医師監修の記事を見てみます。
H型については、前後の各輪に指が3本入るくらいと書かれています。
ベスト型については、アジャスターで体にフィットするまで調整するという書き方です。
ただ、この目安は形ごとに違います。
お使いのハーネスに説明書があれば、そちらを優先してみてくださいね。
リードのナスカンが服を噛んでいないか見る
この順番にすると、リードは服の外から取り付けることになります。
そのとき、金具が服の生地を一緒につかんでしまうことがあります。
つまり見た目ではつながっているのに、実際はハーネスに届いていない状態です。
しっぽの会の記事も、外に出る前の確認をすすめています。
玄関を出る前に、リードを軽く上に引いてみてください。
ハーネスごと持ち上がれば、正しく取り付けられています。
ちなみに、この確認は数秒で終わります。
服の色と金具の色が近いと、目では見分けにくくなります。
見るのではなく、引いて確かめるほうが確実です。
背中にリード穴のある冬服なら、この順番で着せられる
「服が先じゃないと、リードが出せない」と思うかもしれません。
ただ、いまは背中にリード穴のあいた冬服が多く売られています。
そのためハーネスを先につけても、そこからリードを出せます。
選ぶときに見るところ
- リード穴があるか:商品ページの背中側の写真で確認できます
- 穴の位置:肩甲骨のあたりだと、リードが引っかかりにくくなります
- 穴のまわりの始末:縁が縫ってあると、ほつれにくくなります
- 前開きか背中開きか:前開きは、ハーネスの上からでも羽織らせやすいです
うちの子は、足を通すところで一番時間がかかります。
そして足を通す数が少ない前開きタイプにしたら、支度が短くなりました。
また穴の位置は、商品ページの写真だけでは分かりにくいことがあります。
背中側の写真が無いときは、ショップに聞いてみるのも手です。
服を着せるところでつまずいている場合は、[犬が服を嫌がる・噛むのはなぜ?無理に着せずに慣らしていく4つの手順](https://kannamaru.com/dog-hates-clothes-bites-how-to-get-used/)も参考にしてみてくださいね。
手芸ができるなら、穴をあける方法もある
しっぽの会の記事では、手持ちの服に穴をあける方法も紹介されています。
ほつれないように縫えば、同じように使えるという内容です。
ただ、これは服の作りによります。
裏地のあるダウン風の上着では、きれいに仕上げるのが難しくなります。
一方、裏地のないフリースなら比較的やりやすいです。
伸びる生地は穴が広がるので、縁を厚めに縫うと安心できます。
とはいえ、失敗すると1枚だめになります。
使わなくなった服で一度試してから、本命に取りかかるのがおすすめです。
新しく買い足す前に、いま持っている服で試せるのは助かるところです。
ハーネス一体型の冬服という選び方もある
もうひとつ、順番の悩みが最初から起きない選び方があります。
服とハーネスが1枚になっているタイプです。
背中には、リードをつけるD字金具がついています。
支度が1回で終わる
着せるのが1回で済むので、散歩に出るまでが短くなります。
うちのワンコは、散歩に行けると分かると興奮します。
支度が長いほど、その時間も長くなっていました。
一方で、洗い替えが必要になります。
毎日着るものなので、2枚あると回しやすくなります。
また一体型は、服とハーネスのサイズが最初から合っています。
そのため「服の上からだと合わない」という悩みが起きません。
ただし、脱がせるとハーネスも外れます。
室内に入ってから外に出す場面では、付け直しが必要になります。
選び方は、[犬のハーネス一体型の服、冬はどれを選ぶ?抜けにくさとサイズで3つを比べてみた](https://kannamaru.com/dog-harness-integrated-winter-clothes/)にまとめました。
冬服そのものの選び方は、[犬の服で冬に着せやすいのはどれ?](https://kannamaru.com/dog-winter-clothes-easy-to-wear/)を見てみてください。
一体型でも、サイズ合わせは必要
一体型なら絶対に抜けない、ということではありません。
首回りと胴回りが体に合っていなければ、後ずさりで抜けることがあります。
調整のベルトがついているものを選ぶと、合わせやすくなります。
サイズを測るときは、毛をかき分けて地肌に近いところで測ってみてくださいね。
ふわふわの毛の上から測ると、実際より大きい数字が出ます。
さらに小型犬は、同じ体重でも胴の長さが違います。
体重だけで選ぶと、胴が余ることがあります。
首回り・胴回り・着丈の3つを測ってから選ぶと安心できます。
まとめ|犬の服の上からハーネスをつける前に、小型犬で確認したいこと
ここまでの内容をまとめます。
- 冬服の上からつけたハーネスは、生地がすべって抜けやすくなる
- きつく締めても、すべり自体は変わらない
- 理想は「ワンちゃん → ハーネス → 冬服」の順番
- 背中にリード穴のある服なら、この順番で着せられる
- 服を着ていない日は、ベルトを締め直す
- リードの金具が服を噛んでいないか、出る前に見る
- 服とハーネスが1枚になった一体型という選び方もある
わが家は寒がりな子と、そうでもない子で分かれています。
服を着る日も着ない日も、その子ごとに違います。
そこでハーネスのベルトは、散歩のたびに見るようにしました。
指を入れて、いつもと違わないかだけたしかめます。
数秒で終わりますし、これをやるようになってからは気持ちがラクになりました。
興奮して飛び出したときも、落ち着いて見ていられます。
寒い時期の散歩は、暗い時間になりがちです。
順番をひとつ変えるだけで安心が増えるなら、今日の散歩から試してみてくださいね。